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高村 光太郎 |
| まず 第一に言っておこう |
| 僕から世間並みの友誼などを決して望むな |
| 僕は君の栄達など決して望まぬ |
| 君の小さな幸福など決して祈らぬ |
| 君は見るだろう |
| 僕が逆境の友を多く持ち順境の友をどしどし失うのを |
| なぜだろう |
| 逆風の時に持っていた魂を順風と共に棄てる人間が多いからだ |
| 僕に 特恵国は無い |
| 僕に 固定の友は無い |
| 友とは同じ一本の覚悟を持った道づれのことだ |
| 世間さまを押し渡る相棒だと僕を思うな |
| 百の友があっても 一人は一人だ |
| 調子にのらず 地で行こう |
| お互いにお互いの実質だけでたくさんだ |
| その上で危険な道をも愉快に歩こう |
| それでいいのだと君は思ってくれるだろうか |